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日銀が「さらなる追加量的緩和」に踏み切る可能性はあるのか?
2016年01月22日
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日銀が「さらなる追加量的緩和」に踏み切る可能性はあるのか?


 本日(1月21日)の日経平均は昼過ぎに一時318円高の16734円となったものの、大引けでは398円安の16017円と安値引けになってしまいました。昨年来の安値はとっくに大きく下回っていますが、冗談ではなく2014年10月の追加量的緩和直前の安値・14532円もそれほど遠くなくなってきました。

 前日(1月20日)のNY株式が249ドル安の15766ドル(一時565ドル安の16450ドルと昨年8月の安値・15666ドルを下回った)となり、原油価格(WTI)が一時1バレル=26.19ドルと2003年5月以来の安値となるなど、本日の日経平均が一時的にでも上昇する環境ではないと考えていたら、案の定の安値引けとなってしまいました。

 この日経平均が本日の昼過ぎまで高かった理由として、1月28日~29日の日銀政策決定会合で「何かしらの」追加緩和策が打ち出されるのではないかと市場が期待してしまったことと、(関係ないかもしれませんが)シャープに鴻海が6000億円の買収提案をしたとのうわさで時価総額2000億円のシャープを時価の3倍で買ってくれると「早とちり」したこともあったかもしれません。

 先日書いたように鴻海のシャープ買収金額は7000億円以上ある負債込みの金額なので、実質価格はゼロ以下となります。

 日銀の追加量的緩和については、黒田総裁が本日の参議院予算委員会に出席し「その時の状況を見て最も適切な手段を取る」あるいは「手段は十分に持っている」と発言していました。また黒田総裁は1月18日と19日の参議院予算委員会にも出席しており(人気者ですね)、最近の株安について「注視している」とも発言しており、それなりに市場に期待感を持たせる雰囲気もありました。

 実際はどうなのでしょう? 何事も「どうするべきなのか?」と「どうなりそうか?」を分けて考える必要があり、追加量的緩和についても「こういう世界経済が収縮している時期には日本経済にも株式市場にも何の効果もなく、あるのは弊害だけなのでとんでもない」にもかかわらず「株安と円高が続くので安直に踏み切ってしまうかもしれない」となってしまいます。

 つまり全く可能性がないわけではないことになります。

 ところが昨日も書いたように2014年10月31日に日銀が「唐突に」踏み切った追加量的緩和とは、QE3終了後に米国経済を減速させないようにと考える米国政府と、同時にGPIFの資産構成比率を大幅に変更しておき(日本株と海外資産を大幅に拡大)運用成績をカサ上げしたい官邸(管掌する厚生労働省ではなかったようです)と、当時は2015年10月に10%に引き上げられることになっていた消費増税をより確実なものにしたい旧大蔵省の、三者三様の思惑が合致したものだったはずです。

 その追加量的緩和とは、日銀が長期国債(短期国債でない国債のことで期間が短くなった国債も含まれます)の保有残高を年間80兆円増加させるというもので、推定で年間40兆円ほどの日銀保有国債償還分の再投資もあわせると、年間120兆円と「年間の市中発行額のほぼ全額」を買ってしまうという過激なものです。

 旧大蔵省とすれば(当時は消費増税の実施が予定されていた)2015年10月まで1年間くらいだけ過激に国債を買い入れて株高・円安を維持しておけば消費税は無事に10%となるため、そのあとは大不況になろうとも気にせず量的緩和もその辺で打ち切ってしまうつもりだったと考えます。日銀はもちろん完全に旧大蔵省の傘下です。

 ところが消費増税については安倍首相の「思わぬ造反」で2017年4月まで「延期」されてしまい、消費増税までは株高・円安を維持しなければならないため、ほんの1年間のサービスのつもりだった過激な国債買入れを、さらに最低1年半も継続させる必要が出て来てしまいました。

 1年半となれば日銀の国債保有増加額で120兆円、償還の再投資分も合わせると(たぶん)180兆円もの国債を買い続けなければならなくなってしまいました。さすがに旧大蔵省としても、すでに予定外の国債を180兆円も買うハメとなっているところに、さらに買い増さなければならない「さらなる追加量的緩和」にはなかなか踏み込めないと考えます。

 つまり「さらなる追加量的緩和」には効果がなく弊害ばかりであるという前に、そもそも旧大蔵省はこれ以上の量的緩和に踏み込めないはずです。

 市場参加者は「日本経済に弊害があろうとも、追加量的緩和にさえ踏み切ってくれればとりあえず株高・円安になる」といった安直な期待を抱かないことです。

 さらにもし日銀が「破れかぶれ」になって追加量的緩和に踏み切っても、株高も円安も「ほんの一瞬」で、本日の株式市場のようになってしまうはずです。


〈追記〉

 この記事を書いたあとにECBのドラギ総裁が本年3月の追加量的緩和を示唆しました。過去のドラギ総裁の発言から考えると「そのまま実行」となるはずです。

 ここで金融緩和とくに量的緩和には「賞味期限」があり、だいたい1~2年と考えます。それを過ぎると効果がなくなります。ECBは昨年3月に踏み切っているためまだまだ「賞味期限内」であり、あと1回の追加緩和もまだまだ有効と考えます。日銀は本年4月で3年の経過で、今回追加すると2回目となり、効果は疑問です。またFRBのQE1~QE3はすべて一度終了させて新たに踏み切っているため、それぞれそれなりの効果がありました。

  今回は、日銀の2014年10月の追加緩和を実行させた各位の思惑を考えると、米国は「効果は疑問だけど米国に弊害はないのでやってみたら?」、官邸はGPIF対策で「大賛成」、日銀を含む旧大蔵省は「あまり乗り気ではないが、官邸が2017年4月の消費増税実施を確約してくれれば、しぶしぶ実施」といったあたりでしょうね。

 結論は「55%の確率」に上がってしまいました。
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